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2026年9月11日·読了時間 1分

リモートワーク・転勤条件の交渉 ― 「転勤なし」は交渉できる条件になった

転勤の有無やリモートワークの頻度は、給与と同じように交渉可能な条件になりつつあります。日本企業特有の転勤制度を踏まえた交渉の進め方を整理します。

日本企業の雇用慣行の中でも、転勤は他国にあまり見られない独特の制度です。総合職として採用されると、本人の希望とは関係なく、全国あるいは海外の拠点への異動を命じられる可能性がある、という前提で長らく運用されてきました。しかし近年は、この前提そのものが見直されつつあります。共働き世帯の増加や、育児・介護との両立を重視する価値観の広がりを背景に、「転勤なし」を選べる勤務地限定コースを新設する企業や、リモートワークの継続を条件として明示的に提示する企業が増えています。

転勤の有無は、内定段階で確認できる

転勤の可能性について、入社してから初めて知るという状況は避けたいものです。内定を受け取った段階、あるいは最終面接の場で、転勤の有無や頻度について具体的に確認しておくことをお勧めします。「総合職として採用された場合、転勤の可能性がある拠点の範囲を教えていただけますか」「勤務地限定のコースは用意されていますか」といった質問は、内定を受ける前に確認しておくべき基本的な項目であり、失礼にはあたりません。

転勤の可能性がある企業であっても、実際の異動頻度や、異動を打診される際にどの程度本人の意向が考慮されるのかは、企業によって大きく異なります。「これまでの異動の実績として、本人の希望と異なる異動になったケースはどの程度ありましたか」といった具体的な質問を投げかけると、制度の建前だけでなく実際の運用実態が見えてきます。

「転勤なし」を交渉材料にする

勤務地限定コースを正式には用意していない企業でも、個別の事情を踏まえて転勤の範囲を調整してくれるケースがあります。家族の事情、持ち家の購入、配偶者の勤務地といった個人的な理由は、企業側にとっても配慮すべき事情として受け止められやすく、正直に伝えることが交渉の出発点になります。

「現在の家庭の事情により、転勤が難しい状況です。勤務地を〇〇エリアに限定していただくことは可能でしょうか」といった伝え方は、一方的な要求ではなく、事情の共有と相談という形を取っており、日本企業の採用担当者にも受け入れられやすい伝え方です。勤務地を限定する代わりに、給与レンジがやや下がる制度を設けている企業もあるため、その場合はトレードオフの内容を具体的に確認したうえで判断することが大切です。

リモートワークの頻度を条件として明示する

コロナ禍を経て、リモートワークの制度自体はかなりの企業に定着しましたが、「週に何日出社が必要か」「フルリモートは可能か」といった具体的な運用は、企業ごとに、また部署やチームごとにも差があります。制度としてリモートワークが認められていても、実際のチームの文化として出社が暗黙的に期待されているケースもあるため、制度の有無だけでなく実態を確認することが重要です。

内定条件の交渉では、リモートワークの頻度を口約束にとどめず、可能であれば雇用契約書や労働条件通知書に明記してもらうよう依頼することをお勧めします。「入社後にチームの状況次第で変わることはありますか」という質問を投げかけておくと、将来的な運用変更のリスクについても事前に把握できます。基本給の交渉と同時にこうした働き方の条件を整理しておくと、内定後の給与交渉で触れているように、給与以外の条件を含めた総合的な交渉がしやすくなります。

現職での転勤・働き方の交渉

転職の場面だけでなく、現職においても、ライフステージの変化に伴って転勤やリモートワークの条件を見直したいと考える人は少なくありません。この場合は、昇給交渉を上司に切り出す方法で扱っている考え方と同様に、上司にも会社の制度上の制約があることを踏まえたうえで、代替案を含めて相談する姿勢が有効です。「転勤を伴わない部署への異動は可能でしょうか」「週の一部をリモート勤務にすることは検討いただけますか」といった具体的な代替案をセットで提案すると、上司としても社内で調整しやすくなります。

働き方の希望を言葉にする練習をしておく

転勤やリモートワークの希望は、給与のように数字で示せないぶん、うまく言葉にできずに済ませてしまいがちです。しかし、曖昧なまま伝えると、企業側にも正確な意図が伝わりません。

Prepairの給与交渉シミュレーションでは、内定後の条件交渉の場面を選び、Camを相手に転勤やリモートワークの条件について具体的に質問・交渉する練習ができます。会話の後にはスコア付きで振り返りができるため、実際の面談の前に自分の伝え方を確認しておきたい方に向いています。

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